ラインバッハの滝つぼにモリアティ教授とともに落下したとされたシャーロック・ホームズは──生きていた!
『最後の挨拶』から10年、あまりにも有名なエピソード『空家の冒険』から『シャーロック・ホームズの帰還』は始まる。傑作ぞろいといわれる評価の高い短編集だ。コナン・ドイルは、10年かけて作品を練っていたのかもしれない。
ちなみに、モリアティ教授との格闘でホームズを救ったのが、自らが身に付けていた“baritsu”(新潮文庫版の日本語訳では“ジュウジュツ”。しかし、“武術”おそらく“古武術”ではないか、というのがもっぱらの噂)。日本人読者としては、拍手喝采。今度、映画化するときは、アクションにふんだんに取り入れてほしい。
シャーロック・ホームズの帰還
The Return of Sherlock Homes(1903)
空家の冒険 The Empty House
ノーウッドの建築士 The Norwood Builder
踊る人形 The Dancing Men
美しき自転車乗り The Solitary Cyclist
プライオリ学校 The Priory School
黒ピーター Black Peter
犯人は二人 Charles Augustus Milverton
六つのナポレオン The Six Napoleons
三人の学生 The Three Students
金縁の鼻眼鏡 The Golden Pince-Nez
スリー・クォーターの失踪 The Missing Three-Quarter
アベ農園 The Abbey Grange
第二の汚点 The Second Stain